「DIE WITH ZERO」とは
「DIE WITH ZERO」は、アメリカのコンサルティング会社CEOを務めるビル・パーキンス氏の著書です。
ズバリ、この本のテーマは「本当の人生」。
充実した人生を望んではいるものの、日々の仕事や人間関係などに追われ、それとは程遠い生活を余儀なくされている人は多いのではないでしょうか。
そう言う私自身も、会社員時代はそれに近い生き方でした。
もし、その当時に今回紹介するDIE WITH ZEROに出会っていたら、もっと豊かな生き方ができたと痛切に感じます。
DIE WITH ZEROには「ただ生きるのではなく、十分に生きる。経済的に豊かになるだけではなく、人生を豊かにするための方法」が9つのルールとして綴られています。
以下では、そのルールについて要点をまとめてみました。
いずれのルールも、「豊かな人生を送りたい」と願う方なら驚きを持って受け入れることができ、すぐにでも行動に移したくなる内容だと確信します。
1.「今しかできないこと」に投資する(P15〜)
「将来のためにお金を節約しすぎたり、仕事最優先にしたりすると、その時にしかできない経験をするチャンスを失ってしまう。」
例えば、70歳や80歳になってバックパッカーとして世界中を旅するのは、よほどの体力の持ち主でないむしろ苦痛であり、喜びは感じられない。
特に、行動力に満ち溢れた若い時こそ、さまざまな経験を通して多くの楽しみを享受できる。
人生の充実度を高めるに、「その時々に相応しい経験(その時だからこそ楽しめる経験)」をより多く積み重ねる。
2. 一刻も早く経験にお金を使う(P39〜)
「人生でしなければならない最も大切な仕事とは「思い出づくり」。最後に残るのは結局それだけなのだから」
老後準備のため、若いうちからお金を稼ぐのは必要なことではある。
しかし、老後で何より価値が高まるのはモノでもお金でもなく、「若い時に世界を旅した」「愛しい家族とちょっと贅沢な食事をした」などの思い出である。
今すぐできるとこに積極的に投資し、将来年齢を重ねてから人生の出来事を再体験することで、豊かな老後が過ごせる。
3. ゼロで死ぬ(P63〜)
「『ゼロで死ぬ』は効率の極み。必要以上に貯め込むことや、お金を使うタイミングを逸しないことが重要」
もし、手元にある1,000万円を使い切りことなくこの世を去るということは、この額を稼ぐために費やした時間や労力を無駄にするということ。
高額な終末医療に備えて多額の貯金をしたとしても、多くの人にとっては最期の数日、数ヶ月を生き延びるに過ぎない。
子供などにお金を与えるのなら、死ぬまで待たずにできる限り早い方が良い。
4. 人生最後の日を意識する(P95〜)
「自分があと何年生きられるかを予測することで、人は合理的な判断ができるようになる」
多くの人は、自分があとどれくらい生きられるかについて目を逸らしがち。
人によっては、あたかも150歳まで生きるかのように過度の貯金をすることで、人生の喜びを最大化することができない。
もっと、限られた時間とエネルギーをどう使うかについて真剣に考える。
5. 子供には死ぬ「前」に与える(P113〜)
「いつ、誰に、いくら与えるかを今すぐ考える」
あなたの死後にお金を子供に与えるのではあまりにも遅すぎる。なぜなら、お金の価値を最大化できる年齢は「26〜35歳」と言われているからだ。
そうすれば、子供がマイホーム購入や子育にお金を使えたり、早めに投資して将来多くのリターンを得られたりできて生活に困窮する可能性が低くなる。
寄付についても、死後の寄付よりできる限り早い生前の寄付の方が、一刻も早く貧しい人を潤すことができる。
6. 年齢にあわせて「金、健康、時間」を最適化する(P149〜)
「経験から価値を引き出しやすい年代には、貯蓄をおさえてお金を多めに使う」
あまり若い時に貯蓄ばかりに走ると、経験から価値を引き出す機会を自ら奪うことになる。
なぜなら、将来徐々に体力が落ち、健康も損なわれる可能性もあるので、年齢を重ねるにつれ楽しめる出来事が減少していくからだ。
「金」「健康」「時間」の最適なバランスを常に意識し、人生の満足度を高めることを心がけよう。
7. やりたいことの「賞味期限」を意識する(P187〜)
「人は終わりを意識すると、その時間を最大限に活用しようとする意識が高まる」
余命数週間の患者が人生で後悔していることの上位2つは「勇気を出して、もっと自分に忠実に生きればよかった」「働き過ぎなかったらよかった」
他人の望む人生に固執したり、自らの心が赴くままに生きられなかったりする人がどれほど多くいるのか。
仕事ばかりして、パートナーや子供との時間をないがしろにしたことを後悔する人がどれほど多いのかを物語っている。
8. 45〜60歳に資産を取り崩し始める(P207〜)
「多くの人の場合、資産のピークは45〜60歳の間になる。この範囲を外れると、人生を最大限に充実させられないばかりが、経験のための資産を使いきれなくなる。」
資産はお金だけではなく、持ち家、株券、高値のコレクションなどが含まれる。
それらを必要以上に増やそうと働き続けると、何か(お金)は得られても、それ以上に貴重なもの(時間と健康)を逃してしまう。
老後には大きなお金がかかると考えがちだが、年齢を重ねるたびに経験に費やすお金の額は減るからあまり溜め込まない。
9. 大胆にリスクを取る(P241〜)
「人生を充実させるため、時にはリスクを恐れず大胆にチャレンジしよう。」
若ければ若い時ほど失敗のダメージは少なく、成功して得られるメリットが大きい。
あまりにもリスクを恐れて、行動を取らないことへのリスクを過小評価しない。
年齢を重ねた人にとっては、苦労して稼いだお金をいつ取り崩し始めるかについて大胆かつ慎重に判断する。
人生最期に残るのは記憶だけ
この本のタイトル「DIE WITH ZERO」のように、ゼロで死ぬことは極論に違い考え方かもしれません。
人生には思いがけないことが起こりがちであり、それらに備えて少しでもお金を蓄えたくなるのは自然な考え方です。
特に、年齢を重ねるほど健康へのリスクがアップしがちで、手元にお金がないと不安になるのは当然ではないでしょうか。
しかし、いつ来襲するかわからない「エイリアン」を迎え撃つため、過剰に蓄えるのはあまりにもお金の価値をないがしろにし過ぎると思いませんか。
特に、若いうちは積極的に経験やチャレンジにお金を投資し、それらを通して得られる「想い」や「記憶」を積み重ねることが、豊かな人生を構築する上でとても重要だと再三に渡り本書では綴られています。
今回紹介した「DIE WITH ZERO」では、お金の大切さと共に、お金で得られる経験の尊さをこれでもかと言うほど教えられます。
「人生最期に残るのは記憶」だと認識し、その時々にできる経験に投資し、そこから得られる記憶からの配当で豊かな人生を送ってみませんか。
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