【おすすめの本】「言語化大全」で『うまく言葉にできない』を返上しよう!

「言語化大全」とは?

『「うまく言葉にできないがなくなる」言語化大全』は、伝わる文章の書き方などをはじめ、文字や言葉についての書籍を数多く世に送り出す山口拓郎氏の本です。

最初に私が山口氏の作品に出会ったのは、突然の病に見舞われて2ヶ月ほど入院した際、有り余る時間を利用してwebライティングでお金稼ぎしようと思ったのがきっかけです。

何か参考になる本はないかとネットで検索すると、ヒットしたいくつかの書籍中から山口氏の本が目に止まりました。

その中から最初に手に入れたのが「書かずに文章がうまくなるトレーニング」

当時、仕事以外であまり文章を書かない私にとって、なんとも都合の良いネーミングに惹かれてAmazonでオーダーしたのを記憶しています。

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そして、入院から約6年ほど経過した2024年7月、近所の本屋に立ち寄ると山口氏の新刊『「うまく言葉にできないがなくなる」言語化大全』が並べられているのを発見。

その書店では平積みされるほどのおすすめの書籍であり、以前から慣れ親しんでいた山口氏の本ということもあって、錆びついてきた文章作成能力をブラッシュアップしようと今回の購入に至りました。

ひと目には、表紙が色使いされて親しみやすく、中身はイラストやわかりやすいデータなどが盛り込めれていて読みやすい印象です。

さらに、大切な事柄には下線が敷かれていたり豊富な例文が用意されたりして、読む者の立場に立った理解しやすい内容になっています。

言語力化をアップする「3つの型」

人々と会話する際、私たちの多くが「伝える力」といった、いわば小手先の手法でその場をしのげると思いがちです。

一方、「うまく言葉にできないがなくなる」言語化大全』では、単に伝える力だけによるのではなく「3つのステップ」を踏めば言語力化は高められると書かれていてます。

言語化の実力を高めるには、単に伝え方を学ぶだけでなく、一つずつ段階を経て確実に身に付けていきたいですね。

それでは、早速その3つのステップを紹介しましょう。

STEP1.「語彙力を伸ばす」(P31~)

語彙力がない方の会話を耳にすると、主に「ヤバい」「キモい」「エモい」といった画一的な言葉が頻繁に使われがちです。

気心知れた仲間との会話では、これらの言葉でも十分意思疎通が可能でしょう。

しかし、社会に出てさまざまな年齢や職業の方と接する際には、これらの表現ではあまりにも心許なさすぎます。

なぜなら、「ヤバい」ひとつとってみても喜怒哀楽を示すさまざまな意味を含んでいて、「ヤバい」一言だけでは、聞く人にとってはその意味が正しく理解されないからです。

それを解消するには「語彙力をのばす」ことが必須で、豊富な語彙の中から話し相手や状況に応じて適切な語彙を使い分けることが大切です。

語彙力を伸ばす方法としては以下の7つが紹介されています。

① 会話する(P36~)

親しい友人との和気あいあいな会話も楽しいですが、新鮮な人との会話は新たな言葉に触れられる絶好の機会です。

積極的に多くの人と会話する機会を設け、その際耳にした気になる言葉は自分の中にインプットしていきましょう。

また、新鮮な人との会話では、相手の言葉や仕草に応じて表現の仕方を臨機応変に変化させる力が身に付きます。

② 体験する(P38~)

さまざまな体験を通じて、あなただけのオリジナリティ溢れる表現が身に付けられます。

旅行やキャンプ、講演会、セミナーなどあらゆるシーンに積極的に足を運び、その時の感想を自分なりの言葉で表現してみましょう。

③ 本を読む(P40~)

読書は言葉の宝庫です。

漫然と目を通すのではなく、アクティブリーディング(目的を考えながら読んだり、時にはツッコミを入れたりして能動的に本に対峙する)することでより多くの内容が記憶に残ります。

④ 脳内アンテナを張る(P44~)

人間は意識していることは自然と目に留まりがちです。

例えば、好きなアーティストや没頭する趣味などについて、豊富な情報を持ち合わせられるのはこの事が作用しているからです。

語彙力についても同様で、日頃から語彙力をアップしたいと意識し続けることで、人との会話や各メディアなどを通して自然と情報がキャッチしやすくなります。

⑤ 辞書やChatGPTを活用する(P46~)

知らない言葉や曖昧な言葉に出会ったら、放置せずに辞書やChatGPTで調べる習慣を身につけましょう。

合わせて、「類義語」「対義語・反対語」をチェックすれば語彙のバリエーションが広がります。

⑥ アウトプットする(P50~)

以上の方法で習得した語彙は、積極的に使うことで記憶に定着しやすくなります

できれば、インプットしたら30分以内にアウトプットするのがおすすめで、さらに2週間に3回アウトプットが効果的と述べられています。

⑦ 使える状態にする(P52~)

そして、脳に定着した語彙は常に使える状態にしておくことが肝心です。

「覚えた」ことで「使える」と思い込みがちですが、実際に使い方がわからなかったり、記憶から取り出せなかったりしたら知らないのと同じことです。

努力して蓄えられた語彙はとにかく使いましょう。

STEP2. 「具体化力を鍛える」(P71~)

具体化とは言葉の解像度を上げることです。

言葉の解像度が上がると、相手にとって分かりやすい情報が伝えられると同時に、誤解されたり、理解されなかったりするデメリットが払拭できます。

話す側が聴く側に立って話すことはもちろん、自分自身が伝える情報を具体的にイメージできていることが重要です。

言葉の解像度を上げる手段としては、主に以下のことが紹介されています。

① 事実は「5W3H」で具体化する(P80~)

5W3Hとは、「When(いつ)」「where (どこで)」「Who(誰が)」「What(何を)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」「How meny(どのくらい)」「How much(いくら)」です。

これらは、情報をわかりやすく伝えるために用いられます。

仮に、仕事場で上司から報告の内容が理解しにくいと指摘されたら、これらの中のいずれかが抜け落ちている可能性があります。

仕事での努力を無にしないためにも、具体的な情報でアピールできることが重要です。

② 意見・感想は思考を広く深く掘る(P90~)

最初にざっくり思いついた意見・内容について、「なぜ」「たとえば」を使って自問自答すると、意見や考え方が具体化していきます。

最初に感じたり思いついたりしたからには、何かしらの理由があるはず。

最初の意見・内容について自問自答することで、自分の中で情報が具体化し、伝える際には相手に理解されやすくなります。

③ 思考のものさしで具体化する(P106~)

もし、「なぜ」「たとえば」の先が浮かばない場合には、最初に感じたり思いついたりした意見に以下の「思考のものさし」に当てはめて考えると解像度が高まることが期待できます。

「メリット・デメリットは?」

「ビフォー・アフターは?」

「類似点・相違点は?」

「誰におすすめ?」

「どうやって?」「どんなふうにして?」

④さらに解像度を高める3つのポイント(P120~)

さらに解像度を高めるためには、次の3つのポイントを意識することが提案されています。

・数字を使う

「多くの人が参加した」よりも「100名の人が参加した」方が具体性がアップします。

・固有名詞を使う

「できるビジネスマンになりたい」より「孫正義氏のように決断力と実行力を兼ね備えたビジネスマンになりたい」の方がイメージしやすくなります。

・抽象的な言葉を少なくする

日本人は、曖昧な言葉でその場を切り抜けることを良しとする風潮があります。

たとえば、はっきり物事を伝えることで相手の気分を害したり、自分を主張することで目立ちすぎたりすると考えるからです。

時には、その考え方は的を得ている場合がありますが、いざビジネスのシーンでは、抽象的ではなく物事を正確に伝えることが重要です。

状況や相手に応じて、抽象的な言葉で濁すのではなく、ハッキリ自分の考えを主張することを心がけましょう。

STEP3. 伝達力を磨く(P153~)

いよいよ、最後のステップでは、相手に言葉を届ける際の大切な考え方やテクニックが紹介されています。

往々にして、話好きな方は「伝える」ことばかりに興味があり、「伝わる」ことの意識が薄れがちです。

伝達力を磨くためには、言葉は「相手へのプレゼント」であると理解し、正しく相手に伝えられてこそ言葉の役割が成り立つと意識しましょう。

話をわかりやすく組み立てられる3つのテンプレート(P170~)

伝いたい内容や目的に応じて、次の3つのテンプレートを選んで話を組み立てます。

実際にこれらのテンプレートを使ってみると、話の道筋が具体的に開けてきて文章が組み立てやすくなります。

結論優先型

ワンメッセージを掘り下げて伝えたい時に使います。

結論→理由→具体例→まとめ

列挙型

複数の情報を整理して伝えたい時に使います。

全体像を示す→ポイント1→ポイント2→ポイント3

ストーリー型

読む人の感情を動かし共感を得たい時に使います。

発端→転記→成長→未来

相手の興味を惹くテクニック(P184~)

さらに、相手に伝わるようにするには、テンプレートで話の流れを工夫するだけでは不十分です。

相手の興味を惹きつけるために、以下のテクニックでイキイキした文章に仕上げます。

「比較」する

たとえば、多くの方がモノを買う場合、いろいろと比較してから最終的に決断します。それにより、自分が買いたいものがハッキリするからです。

情報も同じで、いくつかの情報を列挙することで最も伝えたい内容が鮮明になります。

例文(本書より引用)

サウナに毎日入る人は認知症になりやすい

サウナに毎日入る人は、週1回以下しかサウナに入らない人に比べて認知障害になるリスクが66%と低い

「落差」を使う

落差を使って相手の心揺さぶることで、共感を与えやすくなります。

例文(本書より引用)

おいしかったです

レビューサイトの評価が低く期待していませんでしたが、食べてびっくり、おいしかったです

「オノマトペ」で表現

オノマトペとは、擬音語、擬態語、擬声語を意味します。

これらで感情を表現すると、さらに臨場感がアップして相手に伝わりやすくなります。

例文(本書より引用)

顔の表情が変わって、次の瞬間、殴られた

顔の表情がみるみる変わって、次の瞬間、バシンと殴られた

「比喩」と「たとえ話し」

別のものに例えることで、相手にとってわかりやすくなります。

例文(本書より引用)

部長の意思は固い

部長の意思はアタッシュケースのように固い

「擬人法」で描写する

擬人法で、人間以外のものなどを人に例えることでイキイキとした描写が可能になります。

例文(本書より引用)

朝からコピー機の調子が悪い

朝からコピー機が不機嫌。ついにストラキを始めやがった

「魅力的な数字」に加工する

魅力的な数字に加工することで、内容にインパクトを与えられます。

例文(本書より引用)

6千万人以上の国民が使用

国民に2人に1人が使用

「ベネフィット」を伝える

モノを選ぶ際に、多くの方は自分にもたらされる利益を最優先します。ベネフィットを伝えて積極的に商品をアピールしましょう。

例文(本書より引用)

フッ素樹脂加工

焦げにくい/料理がおいしくなる/使う油の量が少なくて済む(コストパフォーマンスが高い)

印象的な「キーワード」を使う

比喩やたとえを使ってネーミングする。親しみやすさも湧きそうですね。

例文(本書より引用)

社内の情報を何でも知っている人

歩く社内ウィキペディア

大事なことは「繰り返す」

繰り返すことで行動に落とし込んでもらいます。

例文(本書より引用)

繰り返しになりますが、

くどいかもしれませんが、

念のため、もう一度だけお伝えしておきますが、

最後のもう一度だけ言っておきます。

「肯定的」に伝える

肯定的に伝えることで、お互いが気持ち良い気分で会話できます。

例文(本書より引用)

居酒屋Aのマスターときたら、とにかく愛想が悪いことで有名。

お客がお店に入ってきて、しかめっ面を崩しません。

お料理はおいしいが、終始不機嫌なので、嫌悪感を抱く人も多いそうだ。

居酒屋Aのマスターときたら、とにかくがんこ職人として有名。

お客が店に入ってきても、真剣な表情を崩しません。

客と馴れ合わないスタイルながら、出される料理は絶品。舌鼓を打たずにはいられない。

言語化で豊かな人生を過ごそう

言語化は生まれながらに身についている才能ではなく、あくまでもスキルと理解してみてください。

スキルなら、言葉が苦手なあなたでも、磨くことで誰でも言語化の達人に一歩ずつ近づいていくことができます。

そして、言語化を身につける上で、今回ご紹介した『「うまく言葉にできないがなくなる」言語化大全』が大いに役立つと確信します。

さらに、本書では言語化の以下のメリットが紹介されています。

感情がコントロールできてストレスが減らせる

メンタルブロックが外れ、自分に自信がつく

人間関係が改善し、チームの生産性が最大化する

企画力が上がり自分を「ブランディング」できる

生き方に軸ができる

詳しくは本書を参照してください。

もし言語化でこれらのメリットが享受できるなら、紹介した3つのステップを取り組まないのはあまりにももったいなさ過ぎます。

さっそく、言語化で「うまく言葉にできない」を返上して、ビジネスや日常生活を通して人生を豊かに彩りましょう。

最後までご覧いただき本当にありがとうございます

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